成長戦略

GLP投資法人が資産の運用を委託する資産運用会社 GLPジャパン・アドバイザーズ株式会社の代表取締役社長である川辻 佑馬氏に、2024年2月期に実施した主な取組みや成長戦略についてお話を伺いました。
賃料増額改定による効果が大きく、自己投資口取得などによって上昇幅が拡大しました。
2024年2月期分配金実績(対2023年4月予想比)

- 下記2点の一時的な特殊要因を相殺したものです。
- ①習志野Ⅱの建物部分の売却によって2024年2月期末時点の減価償却累計額が期初に見込んでいた金額より大幅に減少するため、投資信託協会の規則に基づき利益超過分配金の払い出しを予想対比で減額させています。
- ②GLP舞洲Ⅱ火災に伴う火災保険料の増加に関し、過去も含めたこれまでの保険料増加分に対する損害賠償金が2024年2月期に特別利益として計上されております。
1口当たり純資産(NAV)の推移(注)
今後も、成長戦略に基づき、分配金の成長と純資産(NAV)の拡大を通じた投資主価値の向上を実現してまいります。

- 1口当たりNAVは「(純資産額-分配金+各期末時点における鑑定評価をベースとした含み益)÷発行済投資口数」にて算出しています。
GLP投資法人は、能動的かつ柔軟な資産運用により、変化する環境の中でも投資主価値向上を実現するべく、
事業環境や金融環境を踏まえた成長戦略を実行しています。

GLPグループの強力なリーシングチームを活用し、力強い内部成長を達成しました。
2024年2月期 リース概況
満期更改に関する実績
2024年2月期 改定契約(注1)
-
改定契約
本数-
19 契約
-
改定対象
面積(注2)-
25 万㎡
2024年2月期 賃料上昇率
-
増額改定
面積のみ-
+ 8.3 %
-
改定対象
面積全体-
+ 7.2 %
契約期間中に関する実績
CPI連動条項による改定実績(注3)
-
改定契約
本数-
6 契約/ 5 万㎡
-
平均賃料
上昇率-
+ 3.4 %
- 「2024年2月期 改定契約」とは、2024年2月期に賃貸借期間が満了する賃貸借契約を意味します。
- 「改定対象面積」とは、当該期に賃貸借期間が満了する賃貸借契約のうち同一テナントとの再契約またはダウンタイムなしでの新たなテナントとの新契約が締結された
賃貸借契約に係る賃貸面積をいいます。 - 「CPI連動条項による改定」には、当該期に消費者物価指数(CPI)に連動して賃料が自動的に増減する旨の条項が該当する契約のみを対象として算出しております。
なお、CPI連動条項には、その他協議により賃料を調整する旨の条項がありますが、上記の契約本数および賃料上昇率には含まれておりません。
優先交渉権を持つ物件は合計で9物件に拡大しました。

- 100%稼働
- BTS型物件

- 100%稼働
- マルチテナント型物件
(写真手前が流山5、奥が流山6)

- 100%稼働
- BTS型物件

- 100%稼働
- マルチテナント型物件
「GLP 盛岡」等を売却し、売却益合計1.28億円を投資主の皆様に還元しました。含み益の顕在化とポートフォリオの質の向上を
企図して2020年8月期から8期連続で合計7物件(注1)を売却し、投資主に分配した売却益の合計額は100億円と当該7物件のNOIの
10年分(注2)に相当します。
物件売却資金の戦略的な活用

- これまで、GLP 西神、GLP 廿日市、GLP 桶川、GLP 福崎(2期に分けて売却)、GLP 深谷、GLP 江別、GLP 盛岡を売却しています。
なお、GLP 習志野Ⅱは2024年2月期に建物部分のみを譲渡しておりますが、集計には含めておりません。 - 当該売却物件の売却期前期および前々期のNOI合計値を元に算出しています。
投資主価値向上を目的として、投資口価格、手元資金、マーケット環境等を勘案し、自己投資口の一部を取得しました。
株式市場の動向を踏まえ、今後も自己投資口取得を検討してまいります。
-
実施金額
-
38 億円
-
実施口数
-
2.76 万口
-
DPU効果
-
+ 0.6 %
-
一口NAV効果
-
+ 78 円
GLP 舞洲Ⅱの火災により受けた損害に関し、旧テナントであるロジスティード株式会社との合意書締結およびGLP 加須Ⅱの取得を通じ、
損害の補填を早期に実現しました。
新規取得物件

GLP 加須Ⅱ
- 首都圏・東北エリアへの配送に優れた好立地
- 医薬品の適正流通基準に準拠したメディカル物流施設
- ロジスティードが一棟利用するBTS施設
取得価格
-
77 億円
さらなる成長を実現するため、マーケット環境を注視しつつ、以下の取組みを推進してまいります。
引き続きCPI連動条項の活用等により賃料増額を更新時のみならずリース期間中においても実現していくことに加え、
リース以外のNOI向上の取組みとして、太陽光発電設備やLED電気への切り替えなどに追加投資をおこなっています。
また、コンサルティングの導入を通じた固都税支払額の削減などコスト削減にも取組み、NOIを最大化してまいります。
2024年8月期 リース想定
満期更改に関する想定
2024年8月期 改定契約想定
-
改定契約
本数-
16 契約
-
改定対象
面積-
28 万㎡
契約内定見込率(注)
-
-
86 %
-
賃料上昇率見込み
-
改定対象面積全体
-
+ 5 %~+ 6 %
契約期間中に関する想定
CPI連動条項による改定見込み
-
改定契約
本数-
8 契約/ 15 万㎡
-
平均賃料
上昇率-
+ 5 %~+ 6 %
- 「契約内定見込率」とは、2024年8月期に賃貸借期間が満了する賃貸借契約のうち、新たな契約締結が完了しているまたは新たな契約の締結について合意の上で
契約手続中(但し、賃借人の機関決定未了のものを含みます。)の賃貸借契約に係る賃貸面積について、小数第一位を四捨五入して算出しています。
バリューアッドとコスト削減策を通じたNOIの向上
太陽光発電への投資

GLP 大阪
- 投資総額2.6億円
- NOI利回り7.9%
- 太陽光設備によって館内の消費電力の約30%をカバー可能

GLP 岡山総社Ⅲ
- 投資総額1.6億円
- NOI利回り10.6%
- 館内消費に加え、増設分の再生可能エネルギーは、隣接するGLP 岡山総社Ⅰで自家消費
光熱費の削減
- 市場の電気料金高騰から収支が悪化していた物件では、
テナントと交渉して収支を改善 - ネット収益0.8億円
固都税コンサルティング
- 固都税コンサルティングを導入し、固都税の支払額を削減
EV充電器の設置

- EV充電器を設置
- テナントのESGへ貢献するとともに、賃料アップを企図
ブリッジファンドである第三者SPCに対する物件取得の優先交渉権を用いて、任意のタイミングで物件取得が可能となる
ブリッジスキームを活用し、時宜を捉えた物件取得を実施してまいります。
- 物件パイプラインとは将来の取得候補物件群をいいます。
引き続き投資需要が強い日本の物流不動産市場動向を鑑み、今後は複数物件の一括売却も視野に入れながら、売却益の投資主還元と
ポートフォリオの質の向上を推進しつつ、売却に伴い拡大する手元資金の有効活用により投資主価値の拡大を目指していきます。
株式市場の動向を見極めながら、LTVの活用および物件の一括売却によるキャッシュ創出を通じて
外部成長のための資金調達手法の柔軟化を目指してまいります。
