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決算・運用状況のご報告
(資産運用報告)

投資主の皆様へ

投資方針

基本理念

本投資法人は、「投資家利益第一主義」を理念として日本の不動産マーケットにおいて実績を積み重ねてきた、独立系の不動産投資グループであるスターアジアグループに属するスターアジア投資顧問株式会社にその資産運用を委託し、「投資主利益第一主義」の理念に沿った運用を行います。本投資法人は、収益の安定性と成長性に主眼を置き、独自のマーケット分析に基づいた柔軟かつ機動的なポートフォリオ運営を行うこと、加えて、投資主に対して必要な情報を適時かつ適切に開示する透明度の高い運用を実施することにより、投資主利益の最大化を目指します。

本投資法人の特徴

  • 1. 総合型REIT

    東京圏(注)を中心としたアセットタイプ(用途)分散型のポートフォリオを構築

  • 2. 着実な成長

    スターアジアグループの運用資産をベースとした外部成長及び豊富な経験とノウハウを持つ本資産運用会社による内部成長の追求

  • 3. 投資主利益第一主義追求のための施策

    「既成概念にとらわれない」アクティブマネジメントの継続的実行

  • 東京圏:東京都、神奈川県、埼玉県及び千葉県の一都三県をいいます。以下同じです。

投資方針

  • 東京圏への優先、重点集中投資
    東京圏比率70%±10%

  • アセットタイプ(用途)の分散による収益の「安定性」と「成長性」の取り込み

  • ミドルサイズアセットを中心とした投資

ご挨拶

スターアジア不動産投資法人
執行役員

加藤 篤志

投資主の皆様におかれましては、ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素はスターアジア不動産投資法人並びにその資産運用会社であるスターアジア投資顧問株式会社に格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

本投資法人は本資産運用会社とともに、2016年4月の上場以来、投資主利益の最大化に向けた取組み(アクティブマネジメントの実行)を継続しています。当期(2024年1月期)においては、期初の2023年8月に、2021年3月の中期計画策定以降では3年連続3回目(上場以降では6回目)となる公募増資を実行し、11物件(取得価格総額491億円)を取得しました。当該物件取得等により当期末現在の資産規模は2,438億円(不動産等71物件、優先出資証券1案件、メザニンローン債権投資2案件)となり、中期計画における目標である「2026年までに資産規模3,000億円」の達成に向けて着実に資産規模を拡大しています。
当期の期初に取得した資産は、内部成長が期待できるホテル7物件(454億円)が92%を占めます。これら7物件のホテルは、全てスターアジアグループのポラリス・ホールディングス傘下の会社が賃借しオペレーションを担っています。同社は、コロナ禍においても、スターアジアグループと協働し業容を拡大し、スケールメリットを活かして販売、コスト面で効率的な運営を行っています。
新規取得のホテル7物件は、全て同一の賃料体系であり、それぞれの物件においてGOP × 85%を賃料として収受でき(注)、宿泊需要の向上に伴うホテルの運営状況の良化をダイレクトに享受できるものとなっています。実際に、当該7ホテルからの賃料収入は当初予想を大きく超える結果となっており、内部成長に貢献する物件取得であったと考えられます。

  • 新規取得7物件それぞれにおいて一定の固定賃料が約定されており、それぞれの物件においてGOP × 85%が当該固定賃料を上回った場合に収受できます。

今後も、投資主の皆様の利益の最大化を目指し、潜在的な内部成長力のある物件や分配金増が期待できるメザニンローン債権投資等の取得に注力し、一層の収益の成長性、安定性を追求するとともに、中期計画の達成に向けて外部成長を推進します。
また、本投資法人は、SDGsの達成に向けたESGに関連する取組みを継続しています。E(環境)に係る取組みとして、当期においては、物件毎の状況を勘案して照明LED化工事、空調設備及び搬送動力等の高効率化・省エネ改修工事、緑化保全を総額約432百万円で実施しています。ESGに関連する取組みの一環として、2023年度においてもGRESBリアルエステイト評価へ参加し、3年連続で「3 Star」及び「Green Star」を獲得しています。また、ESG情報開示の充実度を測るGRESB開示評価においても、ESG開示の取組みが高く評価され、最上位の「Aレベル」の評価を取得しています。しかしながら、このアセスメントへの参加は、ESGに関連する施策の実施状況に係る一つの指標であり、高い評価を受けること自体が目標ではなく、評価を向上させることを通じて、より良い環境(E)の、より良い社会(S)の、より良いガバナンス(G)の実現を目指した施策を実行し、公的性格の強い投資法人としての責務を果たすことが、より重要であると認識しています。

さて、第16期(2024年1月期)においても、投資主利益の最大化を追求する運用を展開し、保有物件の収益増、経費削減に努めた結果、営業収益7,964百万円、経常利益3,528百万円、当期純利益3,527百万円を計上し、1口当たり分配金は1,524円となりました。ここに第16期の運用の概況と決算内容についてご報告申し上げますとともに、投資主の皆様のご支援とご理解に深く感謝申し上げます。投資主の皆様におかれましては、今後とも変わらぬご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申し上げます。

中期計画の達成に向けて

本投資法人は、2021年3月に2026年までの中期計画として、資産規模目標3,000億円、1口当たり分配金の成長目標1,600円以上を掲げました。
資産規模の拡大(外部成長)においては、2023年8月に公募増資を実行し、11物件(取得価格総額491億円)をポートフォリオに組み入れました。当期末時点の資産規模は2,438億円となっており、中期計画(外部成長目標)の達成に向けて大きく前進したと考えています。さらに、公募増資と同時期に、将来の外部成長原資を確保するため、直近の鑑定評価ベースで581億円12物件のホテルについてスポンサーグループから優先交渉権を取得しています。また、収益性の向上が期待できる学生専用レジデンス2物件についても優先交渉権を保有しています。今後も、優先交渉権取得物件を中心としたスターアジアグループからの物件取得機会や資産運用会社独自のネットワークを最大限に活用して、一層の外部成長を目指します。
1口当たり分配金の成長(内部成長)においては、ポートフォリオに組み入れられている各物件における収益増、経費削減を目指す管理運営を実行することが基本です。加えて、本投資法人は、様々な内部成長実現に向けた取組みを実行しています。具体化している取組みとして、未消化容積がある物流施設「船橋ハイテクパーク工場Ⅰ」において、テナント要望に応え増築を実行しました。この増築は2023年12月に完了しており、2024年7月期以降の内部成長に寄与すると考えています。また、郊外型商業施設「シュロアモール筑紫野」においては、集客力が高くアンカーテナントとなるスーパーマーケット「ロピア」の誘致を実現しています。「ロピア」は2023年11月にオープンし、平日、週末を問わず買い物客で賑わっており、施設全体の集客力向上につながっています。当該テナントからの賃料収入に加え、「シュロアモール筑紫野」における新規テナント誘致にも貢献すると考えられます。今後も、各物件における稼働率の維持向上、経費の削減を通じた収益増に加えて、上記のような取組みを継続し、一層の内部成長の実現を追求し、1口当たり分配金の成長を目指します。

船橋ハイテクパーク工場Ⅰ

写真右側が増築箇所2か所の内の1か所

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