16
決算・運用状況のご報告
(資産運用報告)

特集

CIO Interview

上場から8年、
外部環境の変化に適切に対応し
分配金の成長に努めます。

スターアジア投資顧問株式会社
取締役 兼 投資運用部長

小林 大輔

Q

2024年3月に変更した運用ガイドラインの内容について教えてください。

A

大きな方針の変更ではなく、従来の方針の方向性は維持していますがポートフォリオの拡大に伴い、リスク許容度を拡大させています。

<従来の投資方針>
①東京圏への集中投資(東京圏比率70%以上)
②アセットタイプ(用途)の分散による収益の「安定性」と「成長性」の取り込み
③ミドルサイズアセットを中心とした投資

主な変更内容は2点です。1点目は、東京圏比率を70%以上から70%±10%へ広げたことです。
2点目は、従来は、ミドルサイズアセットを中心とした投資をするものの、戦略投資として、都心5区に限定してラージサイズアセットに投資できるものとしていましたが、安定した収益を確保でき、資産規模の拡大を加速させることができると判断した場合には、東京圏及び主要都市部(大阪圏、福岡圏及び名古屋圏)にもラージサイズアセットに投資ができるよう、エリアを拡大しました。
その他、財務方針にも修正を加えましたが、これは実態に合わせた変更です。

Q

東京圏比率を、従来の70%から±10%とした理由と経緯を教えてください。

A

資産規模拡大に伴い、一物件あたりのポートフォリオ全体に与える影響が低減され、ポートフォリオのリスク許容度が拡大しているため、投資比率に柔軟性を持たせることで取得機会を逃さないようにするためです。
主要な投資方針は維持した上で、従来の比率に±10%としたものです。なお、郊外型商業施設3物件については、売却する方針としていますが、現時点では、立案したビジネスプランに基づいた資産価値向上のための施策を実行中であり、今後のキャッシュフロー向上に期待いただきたいと考えております。

Q

これまで都心5区に限定していたラージアセットへの戦略投資について、東京圏及び主要都市圏に拡大した理由と経緯を教えてください。

A

前述のとおり、ポートフォリオのリスク許容度が拡大しているため、都心5区以外にもポートフォリオ強化につながるラージサイズアセットの取得機会があり、その物件を組み入れることにより投資主利益の最大化に貢献するならば、取得を検討しようというものです。ただし、従来の「ミドルサイズアセットを中心とした投資」の方針に変更はありません。

Q

その他、財務方針も変更していますが、変更の内容を教えてください。

A

今回、財務方針も、実態に合わせて文言の調整をしています。これまで、財務の安定性の観点により、借入れの固定化比率にはこだわっていましたが、金利が上昇する状況の中、1口当たり分配金の維持向上のために金利コストを抑制すべく、特にデット・ファイナンス時における調達コストは、金利の固定化比率目標を設けず、金利の状況及び将来の方向性を勘案して、適時適切に判断する方針を明確にしました。

現在のポートフォリオの状況(不動産等/有価証券等)

画像は拡大できます

Q

この変更により、今後の資産規模拡大にあたり見込める効果を教えてください。

A

前述のとおり、大きな考え方は従来通りですが、今回の変更により、物件取得の機会は拡大したと考えています。この機会を活かし、資産規模拡大に弾みをつけたいと考えています。

Q

投資家の皆様へメッセージをお願いします。

A

私たちが運用するスターアジア不動産投資法人は、「投資主利益第一主義」を基本理念としています。ここ数年においては、物件取得競争激化、感染症蔓延、電気代や建築費・金利の上昇など、不動産及び金融業界を取り巻く環境は大きく変化しています。この変化のスピードを敏感に察知できるように、日々、情報収集や分析を重ねることにより、的確に投資チャンスを捉え、投資法人のアクティブマネジメントの実行につなげる可能性を議論しています。一方で、アクティブマネジメントもベースとなるポートフォリオがあってこそと認識しています。
運用中の物件は、適時適切な修繕工事等により、経年にも関わらず、外観・設備機能を現在も向上させています。
入社して9年、上場時に組み入れた物件と同じく歳を重ねましたが、私も物件同様、外見・内臓筋肉の維持向上に努めていきたいと考えています。
今後もスターアジア不動産投資法人のアクティブマネジメントにご期待ください。

Profile

名前

小林 大輔(こばやし だいすけ)

略歴

1999年~株式会社総合不動産鑑定所にて鑑定業務、2003年~カナル投信株式会社(現 平和不動産アセットマネジメント株式会社)にてREITの立上げ・物件取得・運用業務、2010年~プルデンシャル・リアルエステート・インベスターズ・ジャパン株式会社(現 PGIMリアルエステート・ジャパン株式会社)で物件取得・運用業務。
2015年スターアジア投資顧問株式会社入社、スターアジア不動産投資法人の上場を準備段階から手がける。

趣味

登る(クライミング)、走る、アンチエイジング

信条

『健全な精神は健全な肉体に宿る』
日々、早起き・ランニング・クライミングで体を鍛え、サウナで心をリフレッシュすることで日々の業務判断にあたっています。
2023年は、クライミング149回(6,025完登)、ジョギング202回(6,652分、33分/回)、サウナ175回行きました。