22決算・運用状況のご報告(資産運用報告)

HCM安定の秘密

本投資法人についてもっと詳しく知っていただくための特集をお届けします。

オペレーター特集

ニチイケアパレス

40年の知見と人材力、
先端技術で支える
地域で「選ばれ続ける」
施設運営の秘訣

1983年の創業以来、首都圏・東海・
近畿圏で有料老人ホーム108施設を
展開するニチイケアパレス。
約40年間で培った運営ノウハウと、
高い正社員比率に支えられた人材力を
強みに、安定的な成長を続けてきた。
今回はニチイホーム星が丘 ホーム長の
土生氏、広報課シニアマネージャーの
舟山氏にお話を伺いました。

株式会社ニチイケアパレス
ニチイホーム 星ヶ丘 ホーム長

一枝

40年の歩みと、揺るがぬ理念

まず御社の概要と、これまでの歩みをお聞かせください。

舟山 当社は1983年、前身となる介護施設「桜湯園」の開設を出発点に、高齢者の住まいと介護サービスを提供してきました。施設介護40年の実績を活かし、現在は首都圏および東海・近畿エリアにおいて有料老人ホーム108施設と介護関連事業所29拠点を運営しています。

2024年6月には、当社が属するニチイホールディングスが日本生命グループの一員となりました。日本生命が掲げる「安心の多面体」の一翼を担う存在として、より質の高い介護サービスの実現をめざしています。

長期にわたり安定した運営を続けられている理由は何でしょうか。

舟山 根底にあるのは、「お客様の笑顔と幸せの実現をめざす」というサービス理念です。この理念が現場に深く浸透していることが、安定の基盤になっていると考えています。

その背景には、人材の安定があります。介護業界では雇用の不安定さが課題とされますが、当社は正社員比率が高いことが特長です。新卒採用を継続し、現場で経験を積んだ人材がホーム長や管理職へと育つ仕組みを整えてきました。結果として定着率が高まり、理念が世代を超えて受け継がれています。

御社の人材の特徴や強みをお聞かせください。

舟山 当社では、お客様の身体に触れるスタッフは全員有資格者です。制度上は無資格でも可能な業務はありますが、私たちは安全と信頼を最優先に考え、グループ内のニチイ学館の教育機能も活用しながら、資格取得を会社負担で支援しています。

また、介護スタッフの共通目標として「プラチナ介護職」という社内基準を設けています。これは、介護福祉士、介護予防運動指導員、終末期ケア専門士、認知症ケア専門士の4資格を取得した人材を認定する制度です。高い専門性を備えた介護のプロフェッショナルを明確に位置づけ、現在約60名が認定を受けています。

働きやすさの面では、どのような取り組みをされていますか?

舟山 女性スタッフの育休取得率は100%です。時短勤務はお子さんが小学4年生になるまで利用できます。また、時短勤務でない場合でも希望により夜勤を免除しています。こうした制度に加え、当社には現場で支え合う文化が根づいています。その結果、育休後の復職率が8~9割と高い水準を維持し、男性スタッフの育休取得も着実に広がっています。

御社には複数のブランドがあります。それぞれの特徴をお聞かせください。

舟山 当社には大きく三つのブランドがあります。一つ目は介護付きホーム(介護付有料老人ホーム)「ニチイホーム」です。住まいと介護サービスを一体的に提供し、介護に関わることを包括的にお任せいただける点が特長です。

二つ目は「ニチイメゾン」。住宅型有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅を展開し、必要な介護・看護サービスを選択できる柔軟さが強みです。入居前に利用してきたデイサービスを組み合わせたい方など、多様なニーズに対応できます。

三つ目は「アイリスガーデン」。自立度の高いお客様向けのサービス付き高齢者向け住宅を利便性の高い立地に展開しています。将来的に介護が必要になった場合には、「ニチイホーム」への住み替えにも対応しています。

三つのブランドでお客様のライフステージ全体を支える体制を整えている点が、当社の強みです。

テクノロジーで進化する介護サービス

「ニチイホーム 星ヶ丘」の特色について教えてください。

土生 当ホームは今年で20年目。地域の皆様にも広く認知され、安定的にご相談をいただいています。居室はおひとり様用とご夫婦用があり、広さは30.40㎡から最大60.80㎡と、一般的な介護施設よりもゆとりのある設計が特長です。全室に浴室・トイレ・ミニキッチンを完備し、ご自宅と変わらない生活環境を保てることが、当施設の強みのひとつです。

このエリアは古くからの住宅地と新しい住宅地が混在し、転勤族も多く、大手企業のご家族が全国から集まる地域です。住環境への意識が高い世帯が多いことも特徴で、そうした地域性が当ホームへの安定したニーズにつながっていると感じています。

2023年6月に事業継承を経て、ニチイホームとして再スタートされましたが、運営面での変化はありましたか?

土生 事業承継前は、愛知県内からのご入居が中心でした。それがニチイホームになってからは、大阪や東京など、全国からお越しいただくケースが増えています。継承当時はコロナ禍の影響もあり空室が5~6室ほどありましたが、その後は徐々に回復し、現在の稼働率は97%。お一人部屋では6名ほどの予約待ちもいただいており、運営面では落ち着いた状態に戻っています。

転勤で名古屋に来られた方が「東京にいる親をこちらに呼び寄せたい」とご相談くださることも多く、「ニチイホーム」という名前の安心感は大きいと感じています。加えて、日本生命グループの一員になったことでより安定した基盤ができ、信用力の面でも確実にプラスに働いていると実感しています。

ICTの活用状況についてお聞かせください。

土生 全室のマットレスの下に睡眠センサーを設置しています。睡眠中の呼吸や心拍の状態を測定でき、スタッフはタブレット端末でリアルタイムに状況を共有しています。夜間も覚醒のタイミングに合わせてお声がけできますので、睡眠を妨げない介助が可能になりました。体調変化の早期把握にもつながり、医療連携や緊急時の対応の面でも役立っています。

館内ではインカムも活用しています。スタッフ間のやり取りが録音・文字化され、後から確認できる仕組みになっていますので、「あのとき何と言ったか」がすぐに振り返られるのは、日々の業務のなかで非常に助かっています。

また、誤薬防止支援システムも導入しています。薬袋とお客様のQRコードをスマートフォンで読み取り、一致しない場合はアラートが出る仕組みです。これまではスタッフ同士のダブルチェックが必須でしたが、忙しい時間帯でも確実に確認ができるようになり、安全性の向上と業務効率化の両立につながっています。

地域に根ざし、選ばれ続ける存在に

施設の強みや、お客様から喜ばれているポイントは?

土生 強みは、いい意味で“自由”なところだと思っています。ご入居後も、その方がこれまで大切にしてこられたことを、できるだけ続けていただきたいのです。たとえば、当施設では毎日16時になると、レストランのピアノを弾かれる方がいらっしゃいます。以前は音楽の先生をされていた方で、「あのピアノは自由に弾いていいのかしら」と見学時にお尋ねになり、「ぜひどうぞ」とお伝えしたことがご入居のきっかけになりました。居室にピアノを持ち込まれて、朝に練習されている方もいらっしゃいます。館内にピアノの音色が響くのも、当施設の日常です。

外出は、ご本人やご家族のご希望に沿って柔軟に対応しています。お食事も、事前にお知らせいただければ別メニューを選べる仕組みがあり、みなさんうまく活用されています。

お客様向けのアクティビティではどのような工夫を?

土生 日常の生活では季節を感じてもらえるアクティビティを充実させています。冬はクリスマス会や節分祭、春はお花見といった行事に加え、ちぎり絵や写経教室なども行っています。脳トレ教室では小数や分数の計算、難読漢字などに挑戦していただいています。90歳を過ぎても難しい問題を解かれる方がいらっしゃる一方、解けない方には線を結ぶ課題など、それぞれの力に合わせて対応してもらっています。大学で高齢者について勉強されていたスタッフが一人ひとりに合わせて問題を準備してくれるので、お客様も安心して取り組めています。
また、同じビル内にある鍼灸院の先生にも長年ご協力いただき、週に2回、ボランティアで体操を行ってくださっています。地域のつながりが、お客様皆様の生活の支えになっています。

スタッフの定着や職場の雰囲気づくりで大切にされていることは何でしょうか?

土生 当施設はスタッフの定着率が高く、ニチイホームになってからの2年間は退職者がいませんでした。私が心がけているのは、まず挨拶を欠かさないことです。新人もベテランも関係なく、パソコン作業中でも手を止め、目を合わせて声を掛ける。そうして自然に生まれる会話の中で、たとえばスタッフからお母様の具合が悪いと聞いたら、その次に顔を合わせたときに「お母様の調子はどう?」と尋ねるのです。そのように小さなことの積み重ねですが、スタッフ一人ひとりと向き合うことで、スタッフにとって居心地のいい環境になるように努めています。

昨年と今年の新卒採用で4名ずつ入り、現場は若返りました。お客様から見れば孫やひ孫の世代にあたるスタッフとの交流が、ホーム全体の雰囲気を明るくしています。私は偉いホーム長ではなく、みんなと同じ目線で現場を支える存在でいたいと思っています。

今後、介護業界もしくは社会の中でどのような存在を目指しますか。

土生 20年続く施設として、地域の皆さんが老後の住まいや介護を考えたとき、真っ先に思い浮かべていただける存在でありたいと考えています。そのために、今後も「入居して良かった」と言っていただける運営を心がけていきます。

最後に、投資主の皆様へメッセージをお願いします。

舟山 40年の知見と人材力、そしてニチイグループと日本生命グループの経営基盤。この両輪が当社の安定性を支えています。今後もグループ連携とICT活用を進めながら、ヘルスケア分野にご期待を寄せてくださる投資主の皆様に、長期的な安心をお届けできる質の高い介護サービスを追求していきます。